
この週末は、欧州議会選挙でした。
「ママは選挙に行かないの?」
と子供の声。
日本は二重国籍を認めない国だから、
イタリアの国籍を持てないのです。
当然、選挙権がありません。
日本は国籍を一つに限定する
世界でも珍しい国です。
多分、国籍という概念が
他の国と異なっているのでしょう。
ところで、今回の欧州議会選、
投票率が過去20年で最高だったほど
注目の選挙。
蓋を開けてみると、
イタリアは同盟党が34.33%で第1党に。
5年前はわずか6.2%だったのですから、
大躍進ですね。

逆に、この前まで大躍進していた
5つ星運動は17.07%で、
前回の欧州議会選の21.2%に比べても衰退。
10年ひと昔ではなくて、5年ひと昔ですね。
この同盟党は極右ナショナリストと
日本語では紹介されてますが、
ちょっと首をかしげるところもあります。
以前は北部同盟として、
ミラノを中心とした北イタリアだけで、
貧しい南イタリアから独立しよう、
といっていた政党ですが、
そんなことを言っていられない、と
北部を除いて「同盟党」として
2017年末から再スタートした党です。
党首マテオ・サルビーニいわく、
北部、南部なんて言っている場合じゃない。
移民問題を排除して、
イタリア人ファーストで行かなければ!
キリスト教徒の国イタリアでは、
移民を助けなければ、
というのは絶対的命題ですから、
移民反対は触れてはいけないタブー。
ところが、
これだけ不景気が続くイタリアで、
移民の面倒をみるくらいなら、
イタリア人のことを考えるべきだ!
と率直に訴えるサルビーニ氏。
この言葉が、これまで北部同盟を嫌っていた
ローマ人たちの心にも響いているようです。
当然と言えば、当然の話。
それほど、イタリアの失業率は高いし、
景気は悪いのです。
つい最近まで五つ星運動を
持ち上げていたまわりのローマ人達も
同盟党のことを言うようになっている
という印象を受けていたので、
同盟党の勝利もうなずけます。
ところが、日本語の記事で、
「イタリアは極右のナショナリストが勝利」
とか書いてあると
人種差別の恐ろしい国のような印象。
でも、実際はこの言葉のイメージとは、
ちょっと違います。
移民問題って、
それだけデリケートで難しい問題です。
複雑にいろんなことが絡み合っていて、
ちょっとやそっとなことでは、
解決不可能のように思えます。
どうなっちゃうんでしょうね。
それにしても、
昨日の日曜日の選挙のおかげで、
今日、息子の中学はお休み。
学校を選挙会場として使ったので、
今日は後片付けのために休校。
あーあ、
なんだかんだ言っても、
イタリア人って本当にのんきなのです。
だから、と言いたくなる言葉を
今日も飲み込んで!です。