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昨日、イースターのミサについて書いたけれど、よく考えたら、イースターっていったい何?と思っていらっしゃるかたも多いかも?なんて思って、1分で読めように簡単に概要だけ説明します。

イースターというのは、キリストの復活を祝うキリスト教徒最大の宗教行事。キリストの人生で、一番ドラマチックな人生最後の1週間のお話です。

時代は今から約2000年ほど前の春、イスラエル。首都エルサレムでの出来事です。当時は古代ローマ帝国の属領でしたが、宗教は特別にユダヤ教が認められていました。

イエス・キリストは、真の信仰を忘れ贅沢なユダヤ教の聖職者たちを批判し、もっと弱者にやさしくあるべきだ!と貧しい人を助けたり、病気の人を癒したり、数々の奇跡を起こす活動を通じて、ユダヤの一般庶民の期待を集めていました。

というのも、当時のイスラエルは、宗主国である古代ローマ帝国に対する不満や、ユダヤ教会が腐敗して聖職者にだけ富が集中している、というような状況で、庶民の不満が高まっていました。あちこちで反乱がおこっている不穏な状況だったのです。

しかも、ユダヤ教の信仰では「いつか、過越祭に救世主が出現し、イスラエル王国を建設する」といわれていて、過越祭という春のお祭りのころに、民族主義的なムードが高まります。

そして、ちょうどその年の過越祭を祝うためにイエスキリスト集団が月曜日にエルサレムに到着。民衆は熱狂的に歓迎します。

それを見たユダヤ教もユダヤの国王も、イエスの人気がこれ以上高まると、これに乗じて反乱が増え、古代ローマ帝国にユダヤを完全に制圧する口実を与えてしまう、などの危惧によってイエスの処刑を画策します。

木曜日の過越祭。レオナルド・ダ・ヴィンチの壁画で有名な「最後の晩餐」を終えたイエス・キリストは、ユダの裏切りによって逮捕されました

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そして逮捕されたイエスは、まったく何の釈明もせずに、金曜日にあっさりと処刑されてしまいます。民衆の期待を裏切って、奇跡が起こらなかったのです。

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キリストを救世主だと思い込んでいた民衆たちに、イエスが普通の人だった、という大きな失望を残して。


翌日の土曜日は、ユダヤ教の休日。掃除や料理をしたりということまで含めて働くことが禁じられている厳格な休息日で、何もしてはいけない日。

そして、日曜日にマグダラのマリアたちが、キリストの墓へ行くと、重い墓石が動かされていて、中がからっぽ。天使が現れて、キリストの復活を告げます。

マグダラのマリアは町へ戻る途中、イエスに直接あって復活の証人になります。

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カトリック教会の総本山、サン・ピエトロ大聖堂の名前にもなった一番弟子のピエトロ(ペトロ)をはじめとする12使徒は、キリストが逮捕されるとすぐに、エルサレムから逃亡しました。その彼らも、キリストの復活を知ると、自分たちの裏切り行為を恥じて、イエスの教えの伝道を始めた、と、キリスト教会の成立へつながっていったのです。

そのためにキリスト教徒にとって、罪深い私たち人類の身代わりになるために何の言い訳もせず、死を恐れず、十字架を背負ったキリスト。そして、そのキリストは実は死んだわけではなく、復活して天に上った、ということは、キリストがただの人ではなかった証明になるのです。

信者じゃないとわかりにくいけれど、キリスト信仰の最も大切な部分ですよね。信じるか信じないか、という・・・そして、だから、

信じる人たちが復活を祝って盛大にお祝いするのが復活祭、イースター

なのです。ちなみにパスクワはイタリア語で復活祭の意味です。日本では英語のイースターのほうが一般的ですよね。

それにしても一番私がびっくりするのは、当時キリスト33歳だったそうです。たったの33歳。それで、これだけ2000年の間、世界の第一宗教として君臨しているんだからすごいことですよね。自分がキリストよりずっと年上、って変な感じです。

ちなみに、キリスト以前の古代ローマでは、ちょうどこのころ春を祝って盛大なお祭りがあったそうです。これが、復活祭になったという説もあるのですが、なんにせよ、旧暦で本当の春の訪れの時期に、家族や友人みんなで集まって食事をするというのは、楽しいな、なんて私は思います。

犠牲のシンボル、羊やウサギ、そして再生のシンボルの卵を食べます。今日もこれから、パスクワのお料理を準備です!