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(写真は本文と関係ありません)

もうすぐ20年になるローマ生活なのに、話には聞いていたぼったくりレストラン、体験しちゃいました!

普段は絶対に調べてからじゃないと入らないようにしているローマ中心地のレストランですが、先日歩き疲れていたのと、雨が降りそうだったので、とりあえず、近くにあったレストランに入ることに。

そのレストランは素朴な感じで、以前、義姉が美味しいよ、って言っていたような記憶もあって、店頭にあるメニューを見てみると、カルボナーラが10ユーロと良心的な値段。ピザもあります。

お店の人が近づいてきたので、
「お昼でもピザがあるの?」と聞くと、

「うちは、中でちゃんと本格的に作ってるよ、見てごらん」

レストランの一部はガラス張りになっていて、中でちゃんとピザ職人が作っている様子も見えます。じゃあ、いいねと中に入ると、結構いい感じです。

私たちは子供2人を含めた5人だったのだけど、パニーノを食べたりしていたので、そこまでお腹はすいていません。

パスタ1種とピザ1種、ハンバーグまで決めて、あと何かパスタ1種、と迷っていると、陽気な感じのウエイター登場。

「今日は新鮮な魚介類があるから、魚介類のグリルの盛り合わせはどうか?」と勧めてきましたが、魚介類は値段が時価だったり、量によって値段が変わる危険なメニュー。

というのも、
Grigliato misto di pesce(魚介類のグリル)    €8.00(100g)

とあった場合、8ユーロかな?と思っちゃいそうですが、100gで8ユーロという意味です。お皿に載って運ばれてきたお魚がいったい何gあるかなんて、絶対に確認しようがありません。もし、あとで500gだったから40ユーロ、なんていわれる可能性だってあるのです。

100グラム単位の値段じゃなくて、実際の一皿の値段が書いてなければ、絶対に注文しないほうがいい危険メニューです。
 

「パニーノもさっき食べちゃったところだから、そんなにお腹がすいていないの。あと1種類パスタが欲しいだけ」、と説明してメニューをみていると、

「ハンバーグよりも、せっかくだから美味しいフィレンツェ風のステーキはどう?」と勧めてきます。

「ステーキは確かに美味しいけど、フィレンツェ風は大きいから食べれない。ハンバーグは子供が食べたがってるの。」と説明すると、

「子供用なら小さいの用意できるよ。これぐらいの。」と両手のひとさし指と親指で楕円形を作って見せます。

「じゃあ、せっかくだから」とそれを注文することに。

あとパスタを何にするか、と迷っていると、

「海の幸のパスタはどうか?手打ちのフェットチーノと和えるから、ものすごく美味しいよ!」

いつもなら絶対に頼まない危険な魚介ものですが、パスタと言われて魔がさしたのか、「確かに美味しそう!」とそれを注文しちゃいました。

しばらくすると最初っから決めていたパスタとピザが運ばれてきました。想像よりもずっと美味しいお料理に、みんな大満足。

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(これも本文とは関係ない写真です)

そしてステーキが運ばれてきました。

写真を撮らなかったのが残念ですが、普通の大きなフィレンツェ風ステーキです。

「えっ、大きすぎる!」というと、

「これが今日一番小さいステーキだったんだ。美味しいからすぐに食べられるよ。」との返事。

一同、びっくりしたものの、確かに美味しそう。運ばれてきたのだからしょうがない、と食べることに。ところが、表面だけはしっかり美味しそうな焼き色がついてるものの、中は全くのナマ。

「こんなナマのステーキは食べられない!」というと、

「ごめんごめん、じゃあ、焼きなおしてくるよ。」

焼きなおしてもらったステーキは、正直、美味しかったのですが、これをみんなで食べてると、もうかなりお腹いっぱい。

そこで登場した海の幸のパスタ!

どう考えても5~6人分あると思われる大きなお皿に山のように盛られたパスタ!ムール貝もエビも、伊勢海老のようなものまでたっぷり贅沢に盛られたパスタ。

「ちょっと、こんな大きいの私頼んでない。」というと、

「僕が注文取ったわけじゃないから知らない。」と答えるウエイター。確かにさっきとは別の人。

しょうがないから、さっきの人を大声で呼んでも知らないふり。

代わりに来てくれた人にいろいろ質問すると、「4人分のパスタだから、5人ならちょうどいいよ。」

レストランによっては、海の幸のパスタは中に入っている魚介類の量で値段が変わる場合もあります。大きすぎて食べれないうえに、メニューで値段を確認して注文したわけじゃないだけに、値段も気になるところです。

「まず4人分なんて頼んでいないし、こんなすごい海の幸とは知らなかった。このパスタの料金はいくらですか?」と聞くと、答える代わりにさっきのウエイターを呼んでくれました。

「60ユーロ。でも、お互いの勘違いがあったみたいだから、普段は絶対にしないんだけど君には40ユーロにまける。だからいいだろう。」と、平然と答えるウエイター。

いくら豪華で美味しそうだって言っても、パスタが一皿60ユーロ・・・

納得がいかないので、抗議すると、

「残った分はケースに入れてあげるから、持って帰ったらいいよ。新鮮な魚介だから、時間がたったら味がしみてもっと美味しくなるから。」とまで言って、さっさと退散。

ついつい食べてみたくなるような美味しそうな贅沢パスタ。でも、そこはぐっと我慢して、もう一度。

「絶対に納得がいかない。最初にお腹がすいてないって説明して、ステーキも子供用だって言ったから注文したのに、こんなに大きいのを持ってきたし、パスタだって4人分なんてひどい。お互いの誤解なんていうもんじゃない。

これまで、散々、話には聞いてたけど、観光客にこんな対応をするレストランに初めて遭遇した!

こんな目にあって、本当に残念だ」、というと、

「じゃあ、このパスタはいらないっていうのか?調理したのに、割引するって言ってるのに、いらないっていうのか?僕が下げたら、納得するのか?」っていうので、

「申し訳ないけど私たちは食べきれないので、下げてくれるなら一番いい。」と答えると、本当に下げてくれました。

結局、最終的にお勘定は、パスタ1品、ピザ1品、ステーキ1品と頼んでいた飲み物で、まったく妥当な金額を請求されました。ステーキも目算どおりの重さで計算されていて、ほかの中心地のレストランに比べると、安いくらいでした。

味は美味しかっただけに、本当に残念。こんな騒ぎで、幸いお財布は痛まなかったものの、せっかくの食事を楽しむことが全然できませんでした。重ね重ね残念です。

でも、こうして書いていると、パスタに関しては私も確認不足。本当はパスタよりもステーキのほうが嘘をつかれた感じですよね。

仲良しのMちゃんに話すと、「絶対に海の幸関係は危険。トラブルを避けるために、海の幸は頼んじゃダメ!」

旅行会社で働いている彼女は、海の幸のパスタと水二人分で250ユーロくらい払わされた日本人に遭ったことがあるとのこと。

彼女は、あまりに腹が立ったので翌日だったけれどレストランに電話してみると、

「海の幸のパスタは、中身によって値段が違う。その値段なら、ロブスターが2匹は入っていたのだろう。まあ、今更言われても困る。どうしようもない」とのことでした。

「怒って聞かれたから、そのウエイターは60ユーロって答えたけど、もし何も言わなかったら、あとで最低でも200ユーロくらいの請求来てたでしょうね。」

ああ、恐ろしい!!!

残念だけどこういうレストランもあるということで、絶対にメニューにはっきりと値段の書いてあるものだけを注文するようにして、美味しいイタリアを楽しんでくださいね。