昨日に引き続きナヴォーナ広場です。

ベルニーニの傑作、四大河の噴水の正面にあるのが、サンタニェーゼ・イン・アゴーネ教会です。

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この広場に面して自分の一族の館を建てたローマ法王イノケンティウス10世が、1652年に一族の専用の教会として建て直しました。なんて贅沢な!

設計は、ベルニーニのライバルと言われた天才芸術家ボッロミーニ。

実は、イノケンティウス10世の前の法王、ウルバーノ8世がベルニーニを寵愛していたので、イノケンティウス10世は、ライバルのボッロミーニを起用しました。

性格的に偏屈で地味な職人肌で、最終的に自殺してしまったボッロミーニは、華やかな人生を送ったベルニーニより知名度が低いのですが、実際には彼の方が芸術家としてははるかに優れていたといわれます。

ちなみに、ベルニーニの噴水の4つの擬人像のうち、教会に向いたラプラタ川の像は、教会へ手を伸ばしているようなポーズをしています。これは、ボッロミーニが建てた教会だから、いつ倒れてくるかわからないからというポーズをベルニーニがデザインした、という逸話があります。

噴水の方が先にできたので事実無根なのですが、それほど当時のローマでは、強烈なライバルとして噂されていたそうです。行かれたら、どれか探してみてください。

独像的で優雅な線の動きなど、外観も美しい教会ですが、ボッロミーニの本領発揮は、教会内部です。小さな空間から珠玉のスペースを生み出すのは、得意中の得意です。

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しかも教会内部にはパイプオルガンの音楽がかかっていて、さらに神々しい雰囲気満点です。

特にこの日曜日はちょうどミサの時間に入ったので、本物のパイプオルガンの演奏が聴けました。

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夏の間、毎週日曜日の午後は教会内部でクラシックのコンサートを有料、または無料でやっているようです。拝観は入場無料ですので、ぜひ、ナヴォーナ広場へいらした際には足を運んでみて下さい。写真では伝えきれない3Dの美しさを実感できます。

ただし、教会は基本的に祈りの場ですから、大きな声を出したり、肌を露出した格好などではいかないように!

注:ミサの写真を撮った私は、夫いわく、マナー違反だそうです。反省