昨日の美術館無料の日曜日、昨年秋から開催中のトライヤヌス展が評判だと聞いて、トライヤヌス帝のマーケットに行ってきました。

ここの美術館は、国立ではなくローマ市立なので、第一日曜日はローマ市民のみ無料になるのです。(注:身分証明書が必要です。)

トライヤヌス帝といえば、五賢帝の一人で、古代ローマ帝国の範図を最大に広げた偉大なる皇帝で、史上最も人気のある皇帝だとも言われています。

しかも、古代ローマ帝国で初めてイタリア国外の属州出身で皇帝にまで登りつめた人物なのですから、やはりというか、さすがというか。

スペインのイタリカという属州の町出身といっても、古代ローマの貴族の家系ですが、軍人としてのキャリアが認められて皇帝に即位したのです。

皇帝になってからのトライヤヌス帝の活躍は目覚ましく、このトライヤヌス展のサブタイトルどおり、帝国を構築しヨーロッパを造りあげたのです。

トライヤヌス帝のマーケットは、7階建て。今でいう複合ショッピングセンターです。この展覧会は、7つのエリアに分けて皇帝の偉業を解説する構成になっていて、盛りだくさんです。

g traiano foro

特に、私が感動したのは、ダキア戦記でドナウ川を渡るためにローマ軍が構築した橋の模型がありました。その横には、トライアヌス帝の記念柱に描かれた橋の部分の複製が一緒に飾ってあったので、とても分かりやすい!

歴史好きの夫も、「こんなすごい橋を作っていたなんて知らなかった!」と言っていましたが、私は、すでに塩野七海さんの「ローマ人の物語」で学習すみ。日本語でこんな詳しい本を書いてくださったことに、感謝です。

トライヤヌス帝の死から1900年を記念して開かれた展覧会、数々の彫刻や当時の金銀のコイン、発掘された建築物の飾りの一部や、建築物の複製。そしてなんといっても、記念柱を複製といえど、間近で見れたのが感動です。

g traiano
(これは本物の記念柱)

また、マルチメディアを活用とあるように、お店あとの小さな部屋がたくさんあるので、その中で数々の興味あるヴィデオが流されています。音声はイタリア語ですが、英語で字幕がついていました。説明書きを読んでいると、飽きてきちゃうのですが、視覚で見れるのはいいですね。やっぱりわかりやすい。

ローマ人の物語の世界を堪能できます。

ただ、かなり盛りだくさんなので、しっかり見ようと思うと時間がかなりかかります。時間の余裕をもっていかれることをお勧めします。

Traiano. Costruire l’Impero, creare l’Europa

「トライヤヌス帝、帝国を構築し、ヨーロッパを造りだす 」
期間:~2018年9月16日
場所:トライヤヌス帝のマーケット、フォーリ・インペリアーリ美術館
    Mercati di Traiano Museo dei Fori Imperiali
開館時間:9時30分~19時30分(チケット売り場は閉館1時間前まで)
入場料金;15ユーロ(ローマ市在住者13ユーロ)