g chirico

ジョルジョ・デ・キリコってご存知ですか?

独特のスタイルで、シュルリアリズムに大きな影響を与えたイタリア人の画家。

彼の1926年の作品「複合的な自画像」という絵が、先週、南フランスにあるベジエ美術館から盗まれた、というニュースです。

このモンペリエに近い人口8万人ほどの小さな町の美術館で起きた盗難事件は、きわめて不思議なもの。夕方6時という閉館時間に近い慌ただしい時間に警報が鳴り、このキリコの作品だけが盗まれていたそうです。

2017年になっても、今だにこういう事件って可能なんですね、とかえって驚いてしまいます。

この事件の致命的なところは、美術館にビデオカメラが設置していなかったということ。日中の事件にもかかわらず、犯人を特定するのは極めて不可能です。

推定不可能という高い価値を持つ作品だというのに・・・・

ところで、デ・キリコといえば、ローマに住んでいたのです。ローマの真ん中、スペイン階段の右隣のアパートに。

美術館は完全予約制で、当日、アパートの前に行くと看板が出ていません。インターフォンで探して、ドキドキしながら部屋のボタンを押すと、「さあ、上がってきて!」と言われて、門が開きました。

まるで、画家のお宅を訪ねるような気分でエレベーターを昇っていくと、まさにキリコの住んでいた家でした。予約者は、私と友人の二人だけ。英語での説明付きで、アトリエなど当時のままの状態の室内を見学させてもらって、すごく感激したことを、このニュースを読んで思い出しました。

ローマに来た最初の年のことだから、もう15年くらいも前の話です。

早速検索してみると、いまでもスペイン階段にも予約制美術館、残っていました。行きやすい場所にあるので、興味のある方、おすすめです。

CASA MUSEO GIORGIO DE CHIRICO
住所:PIAZZA DI SPAGNA 31
開館時間:予約制10時~13時(火曜日から土曜日、第1日曜日)
料金;大人7ユーロ

ちなみに、ローマで生涯を終えたデ・キリコ、お墓もローマにあります。トラステヴェレのサン・フランチェスコ・デ・リーパ教会、ベルニーニの傑作ルドビーカ・アルベルトーニで有名な教会です。こちらもぜひ足を延ばしてみて下さい。

それから、デ・