
この秋のローマは、本当にいい美術展が目白押しです。今度はベルニーニ。
ローマのバロックを代表する天才芸術家ベルニーニの傑作が常時展示されているボルゲーゼ美術館での開催です。
ローマでどこか1つだけ美術館に行くのなら、絶対ボルゲーゼ美術館が個人的にはおすすめです。プライベートコレクションだけあって、こじんまりした(?)大きさの建物の中に、イタリアの美の歴史を代表する傑作が、ぎっしりと詰め込まれているのです。きちんと美術館を堪能するには、これくらいが限界です。
我が家の子供たちも、「バチカン美術館にはもう二度と行きたくない」、と言っていて、日本から遊びに来てくれる人には「ボルゲーゼ美術館がいいよ」、と言っています。子供って正直ですよね。
今回の美術展は、ボルゲーゼ美術館の修復30周年を記念したもので、アメリカ、ドイツを始めとする美術館から、絵画以外にもベルニーニの彫刻が30点、やってくるそうです。
普段でも、ボルゲーゼ美術館のベルニーニ彫刻といえば、見どころとして欠かせない「ダフネとアポロ」、「プロセルピーナの略奪」。今にも動き出しそうな瞬間を表したドラマチックな作品は、大理石の彫刻とは全く思えません。
このほかにも名作中の名作が勢ぞろいですが、個人的には「ダビデ」がいいですね。口をゆがめたリアルな表情も、ユニークな所作も、ついつい一周回ってじっくり見とれてしまいます。ミケランジェロやドナテッロとは全然違うダビデは、ルネッサンスからバロックという時代の移り変わりを実感させてくれます。
ところで、このジャン・ロレンツォ・ベルニーニ、9代のローマ法王に仕えたそうです。ローマ法王は世襲ではないので、毎回、法王が変わるごとに、贔屓の芸術家も変わることが多いのに、9人もの法王に愛されたなんて、芸術の腕だけではなく、処世術も長けていたのでしょうね。
そうそう、この美術展、トレビの泉の修復に続き、またまたフェンディグループがスポンサーとして参加しています。まさしくメセナ活動。Fのマークのバック、やたら高いだけではないのです。
何はともあれ、ローマの美術史に置いて欠かすことのできない天才芸術家、ベルニーニ展必見です。
ベルニーニ展
会場;ボルゲーゼ美術館
期間;2017年11月1日~2018年2月4日まで
料金:20エウロ+2ユウロ(予約料)
※ボルゲーセ美術館は予約が必須です。
電話:06-328-10
※ローマグラナートでは、チケットの予約代行も承ります。お気軽にどうぞ。
roma@granatowines.com
