palma 1


復活祭、パスクワの前の日曜日は、「棕梠の主日」といって、教会のミサの後、聖なるヤシの枝、ならぬオリーブの枝が配られる日です。今日からパスクワまでが,クリストの受難である聖なる一週間です。

棕梠の主日は、キリストがユダヤ教のお祭りのためにエルサレムへ行ったときのエピソードによるものです。エルサレムの街へ入ると、人々がヤシの枝をもって、救世主であると尊敬されていたキリストを熱烈に歓迎したのです。ところが、その週の金曜日にはこの街で磔の刑にあったのですから、人の心と言うのは恐ろしいものですね。

このエピソードは、キリストの受難の始まりとして、宗教絵画の主題によく選ばれていたのですが、ルネッサンス以降人気がなくなったようで、ローマでは、どこで見られるのか全然思い出せません。この主題で一番有名なのは、ジオットがスクロヴェーニ礼拝堂に描いたキリストの生涯の中に出てくる絵でしょう。

今年は、キリスト教徒ではない我が家にも、聖なるオリーブの枝があります。昨年6月に子供の同級生のお父さんが病気で亡くなるという悲しい出来事があり、理科の先生の協力で、近くの大きな公園にクラスみんなでオリーブの木を植えたのです。

この写真のオリーブの枝は、そのお礼を兼ねてと友達のお母さんが教会でお祓い(?)をしてもらったものを、クラスのみんなにプレゼントしてくれたのです。

残念なことにまだ42歳で、11歳の1人息子を妻に残して去っていったお父さん。人ごととは思えないほど悲しい出来事で、子供たちとその公園へ行くたびに、必ずお父さんの木を見に行きます。

普段はなんていうこともない棕梠の主日、ドメニカ・デッレ・パルメですが、今年は命のことを考える日になりました。


albero di daniro