granato anglicana

木、金、土曜日と曇り空が続いたのとは打って変わって、今日の日曜日は抜けるような青空が戻ってきました。あまりにいいお天気なので子供たちの宿題を後回しにして、午後家族で散歩に出かけたところ、偶然にローマ法王の乗った車に行き会うことができたのです!スペイン階段からも近いバッブイーノ通りにあるイングランド教会がおこなった200周年記念のミサに、カトリックのローマ法王として初めて参列したのです。

16世紀にイングランドのヘンリー8世が、離婚を認めないカトリック教会から離反して設立したイングランド国教会に属するローマの「すべての聖人にささげるイングランド教会」(CHIESA ANGLICANA DI OGNISANTI)は、18世紀に建てられたネオゴシック様式の建物で、ローマのほかの教会とは建築様式がかなり違います。イングランド人のための教会なので公用語は英語で、教会にもイングランドの白地に赤い十字架の国旗がかかっています。

高校の世界史では「イギリス国教会」と習ったのですが、ローマに来たばかりのころイギリス人の友人とこの教会のコンサートに来た時に「イングランド教会」だと教えてもらったのを思い出します。イギリスはイングランド・スコットランド・ウエールズ・北アイルランドによって構成されている連邦国家なので、サッカーやラグビーの国際試合にも、それぞれ独立した国として参加するほど、イギリスとイングランドの違いは大きいのです。

初のイエズス会出身のローマ法王フランチェスコが、こうして熱心にほかの宗派への歩み寄りを続けているのは、おそらく様々な政治的意図があるのでしょうが、車の中から丁寧にきちんと観衆を見つめ、しっかり手を振る法王の姿には、やっぱり神々しい何かを感じてしまいました。涙ぐんでいる人もいるのを見ていると、なんとなく日本の天皇陛下と同じような印象も受けました。

キリスト教徒ではないけれど、法王の祝福が本当に何かあるのではないと思ってしまうような嬉しい日曜日でした。