ヴァレンタインデーとともに春が来たような感じのローマです。ローマ特有の真っ青な空と輝く太陽を見ているだけで元気が出てきます。最高気温は15度くらいなので、嬉しくなって春っぽい服装をしたいところですが、まだ我慢です。
昨日は、クイリナーレ宮殿で開かれている「VIA DELLA SETA」という美術展へ行ってきました。古代から現代までにいたるシルクロードに関する展覧会です。ちょっとマイナーナ内容なのですが、美しい仏像や彫像、マルコポーロの直筆の書類などなかなか興味深い内容でした。目玉は中世のころの世界地図。いつものように日本の記述が全くないのは残念ですが、ヨーロッパから中国までの広大なユーラシア大陸の地図を眺めていると、世界史観が変わってしまうような感覚が沸き起こってきます。特に面白かったのは、15世紀のイタリア人の描いた地図。メソポタミア文明発祥のチグリス・ユーフラテス川を中心に、通常の地図とは上下を逆にロシアが下でインドが上になっているのです。起点が変わると、随分印象が変わってしまうものですね。
クイリナーレ宮殿内で開かれている美術展なので警備上の問題から事前に予約が必要で、入場時の荷物、身分証明書チェック、入場から退場までガイドと1時間グループで動かなければならない不自由さはありますが、入場料が予約料1.5ユーロであることを思うと行ってみる価値はありました。展示されている部屋の壁にアダムとイヴのフレスコ画があったり、家具の上にアウグスティヌス帝の胸像が置かれていたり、宮殿自体が美術品の宝庫なのです。2月26日までなので、興味ある方はお早めに。
http://palazzo.quirinale.it/mostre/2016_cina/cina_home.html
美術館が終わって12時に出てくると、ちょうどクイリナーレ宮殿の衛兵交代をやっていました。太陽がさんさんと降りそそぐ広場は気持ちよく、寛いでいたたくさんの観光客も集まってきて写真を撮っていました。ローマ市内でもひときわ高いクイリナーレの丘にある広場からはくっきりサン・ピエトロ寺院のクーポラが小さいながらもはっきり見えて、うっとりするほど気持ちのいい天気でした。春ももうすぐでしょうか?