
いつでも長蛇の列ができているコロッセオ。最近ではテロ対策で人が多く集まるところには、警官が巡回しています。コロッセオも、当然入場時の荷物検査はもちろん、内側にも外側にも警官がパトロールしています。
とはいってもイタリア人警官が本当にチェックしているのか疑い深く思っていたのですが、昨日フランス人女性がコロッセオの壁に、コインで自分の名まえと2017年と刻むところを見事に発見。さっそく、45歳のフランス人女性は逮捕され、修復にかかる費用を負担することになりました。
どの新聞も見出しは、「フランス人がコロッセオに・・・」とフランス人であることを大々的にアピールしているところを見ると、イタリア人のフランス人コンプレックスのようなものの現れでしょうか?旅行中はやっぱり個人が国を代表してしまうのです。
しかも、若者ではなく分別あるはずの40代で、職業は警官で、しかも自分の未成年の子供と二人の甥っ子を連れていたフランス人がしたことだというのですから、いい話題の的になってしまいました。本人は、まさかこんなに大騒ぎになるとは思わなかったというのですから、さらに驚きなのですが。
コロッセオは先月も、目立つ外側の柱に死を意味する「MORTE」という字が、夜の間に書かれていたということがあったばかりなので、警察も注意していたのかもしれませんね。
また、12月にはブラジル人観光客が夜の間にフェンスを乗り越えて入り込み、ビデオゲームのようなシーンを撮影している最中に4メートルの高さから落ちてケガをする、という間抜けな事件もありました。今回のことで警察がネットで検索すると、夜中にコロッセオで撮影したシーンがかなり見つかったそうで、結構流行ってたりするのですね。「ジョジョの奇妙な大冒険」のコロッセオのシーンを再現して写真を撮る聖地巡礼の話は聞きますが、まさか夜中に忍び込むとは、考えただけでも恐ろしい!警察によると、この3年間に夜の間に忍び込んだり、傷をつけたりといった事件が30件もあったそうです。
コロッセオには何度行っても、威風堂々とした巨大な建造物に畏敬の念のような感動を覚えるのですが、みんながみんなそうというわけではないのですね。
そうそう、といっても古代ローマの時代にもコロッセオに落書きをする人はいたようで、最上階の展示コーナーにある当時の再現図には、落書きをする人の絵が描かれています。また、落書きの跡が残っている柱も実際に展示されているので、落書きは古今東西、共通の現象のようです。
ただ、現在は新しい法律で、落書きをした人が、元の状態に戻す費用を負担することになっているので、旅行を台無しにしないよう、絶対にやめましょう。