granato foro (2)

フォロ・ロマーノにあるローマ最古の教会のひとつ、サンタ・マリア・アンティクア教会(CHIESA DI SANTA MARIA ANTIQUA)が引き続き、3月19日まで特別公開しています。長期にわたって非公開だった教会の壁画は、長年の修復に加え映像などのマルチメディアによる最新技術を駆使しているので、さらに幻想的な効果を生み出しています。

この教会は、フォロ・ロマーノの片隅、パラティーノの丘に続く階段の横にあった古代ローマ帝政時代の建物を再利用して6世紀に教会として作られました。内部には8世紀の初めころ、ローマ法王ヨハネ7世の命により描かれた壁画が残されています。この、ビザンティン様式の壁画は、本家本元の東ローマ帝国では偶像禁止令の吹き荒れていた頃で、ほとんど残っていないので、この教会の壁画は世界的に見ても貴重なものなのです。

どうして、ここローマにビザンティン時代のまま壁画が残っているかというと、この教会は9世紀に起こった地震の影響で埋もれてしまい、1000年後の発掘調査で見つかるまで地中で保存されていたのです。ヴェスビオ火山のポンペイほどではないですが、自然災害によってタイムカプセルのように現代の私たちへ貴重な当時の資料を残してくれたのです。

この教会の一般公開は、壁画の保存の意味でかなり賛否両論あったそうです。せっかくの機会なので、フォロ・ロマーノへ行くときは、ぜひお忘れなく。